
夏真っ盛りとなり、気をつけなければなせないのが、「熱中症」ですね。
一番の対策は、何と言ってもこまめな水分補給。
ではどんな飲み物がいいのでしょうか。今回は、飲み物について考えていきたいと思います。
熱中症には、2つのケースにがあります。
1.スポーツやレジャーなどによって大量に汗をかく場合
2.室内などでじわじわと汗をかく場合
まずは、スポーツやレジャーなどによって大量に汗をかく場合の熱中症対策におすすめの飲料は、スポーツドリンクや経口補水液です。
運動などで大量に汗をかいて水分を失ってしまった場合は、水分とともに塩分(ナトリウム)をとることが必要です。
水だけを大量に飲んでもダメだと言われています。
また、継続して1時間以上の運動をする方は、糖質が少し(5%以下がよいとされている)含まれたものがよりよいと言われています。
※ドリンクを自作する場合
【水1L+塩約2g+砂糖約25g】を混ぜ合わせます。
塩はミネラル豊富な自然塩がおすすめです。
そのままでは飲みにくいので、レモンの絞り汁などを足すとよいでしょう。
作ったらその日のうちに飲み切ります。
例:オーエスワン、ポカリスエット、グリーンダカラ など
室内などでじわじわと汗をかく場合でも水分補給は重要です。
運動時のようにその都度塩分や糖分を補給する必要はないとされていますので、おすすめの飲みものは、「麦茶」です。
麦茶には、汗とともに失われて不足しがちなミネラルが含まれており、体の熱を冷ます効果があると言われているので、熱中症対策によいです。
熱中症対策飲料を飲むタイミング
熱中症は本人が自覚するより早く悪化して、いきなり倒れることもあります。
スポーツやレジャーなどの際のこまめな水分補給はもちろんのこと、日常でも意識的に補給することが重要です。
1.スポーツやレジャーなどによって大量に汗をかく場合
スポーツやレジャーなどによって大量に汗をかく場合は、スポーツドリンク等を、効果的なタイミングで飲みましょう。
「のどが渇いた」と感じた時には、すでに脱水症状が始まっていると言いますので、意識的にこまめに水分補給することが重要です。
飲むべきタイミングは運動前/後と運動中です。
★運動を始める前に、コップ1杯分くらいの水分を補給しておきましょう。
★運動中は、30分おきにコップ1杯分くらいの水分補給を行いましょう。
★運動後も、何度かに分けて、水分補給しましょう。
早めに、かつ、こまめに摂った方がよいのは、摂取した水分が小腸で吸収されるのには、通常20~30分かかると言われているからです。
※注意点
・がぶ飲みしないこと。多量の水分を一気に飲むと胃に負担がかかります。
・暑いからと言って、冷やし過ぎの飲料を多量に飲まないこと。内臓が冷えてしまいます。
飲料の温度は8~13℃程度が、一番吸収がよいと言われています。温度が測れない時は常温より少し冷えたくらいを心がけるとよいでしょう。
2.室内などでじわじわと汗をかく場合
近年は、ヒートアイランド現象や節電の影響など、様々な要因で、室内にいて熱中症にかかるケースも多いです。
室内などでじわじわと汗をかく場合は、麦茶を中心に、水などでこまめな水分補給を心がけましょう。
すべて麦茶でなくても大丈夫です。
一日のなかで、水分補給するとよいタイミングは、
・寝起き
・食事の時
・入浴前
・入浴後
・就寝前
これらのタイミングごとに、コップ1~2杯くらいの水分補給を心がけると、一日に必要な水分量をほぼ補うことができると言われています。
飲料水として一日に約1.5リットルを摂取することが、人間が体内の水分量を保つのに必要と言われています。
少しずつ分けて摂取しているという点でも、上記のタイミングで摂るのは効果的と言えます。
※注意点
・がぶ飲みや冷やし過ぎがよくないのは同様です。
・熱中症対策としての水分補給ですので、緑茶やコーヒーなどカフェインの含まれる飲料ではなく、お水や麦茶を飲みましょう。
熱中症の起こる対策と応急処置
熱中症の熱中症対策
熱中症にならないためには、飲料による水分補給の他に何に気をつければよいのでしょうか?
・涼しい服装を心がける。
・日傘や防止を利用したりして直射日光を避ける。
・室内でも温度を意識する。(28度を超えると要注意と言われています)
・しっかり睡眠をとる。
・体調管理に気をつける。(風邪などを引くと脱水症状を起こしやすいと言われています)
・アルコールやカフェインを含むものの多量摂取は控える。(利尿作用があるためです)
・ふだんから運動しておく(汗をかきやすい体になれば体温調節の働きがよくなると言われています)
★ふだんから牛乳を飲むのもおすすめです。
運動後に飲むのが効果的で、牛乳に含まれる“アルブミン”という成分の造血作用により、血液量が増えて体温調節機能の働きがよくなると言われています。
熱中症の応急処置
1.緊急度の高い重症の場合は、すぐに救急車を呼び、医療機関に連れて行きましょう。
・意識がはっきりしない(呼びかけに対し、反応がおかしいなど)
・ふらつく、動けない
・自分で水分や塩分を摂取できない
・全身のけいれん
救急車の到着(病院に到着)まで、以下の応急処置を行いましょう。
※119番の救急対応の方から応急処置の指示を受けた場合はそれにしたがってください。
とにかく体を冷ますことが重要です。
応急処置
①涼しい場所に移し、衣服を緩め、安静に寝かせます。エアコンのついている部屋や、扇風機・うちわなどを使って風を送り涼しくする。
②体を冷やします。迅速に行うことが重要です。全身に水をかける。または、濡れタオルやアイスパックなどを首、脇の下や太ももの付け根などに当て、体を冷やす
氷がなければ、水を吹きかけて、風を当てるなどして、体の表面を冷ます。
③もしおう吐してしまった場合は、のどが詰まらないように横向きに寝かせる。
2.病院へ搬送したほうがよい中等症の場合
・頭痛、吐き気、おう吐
・だるい、ぐったりする、力が入らない
応急処置
①涼しい場所に移し、衣服を緩め、安静に寝かせます。エアコンのついている部屋や、扇風機・うちわなどを使って風を送り涼しくする。おう吐した場合は、のどが詰まらないように横向きに寝かせる。
②体を冷やします。濡れタオルやアイスパックなどを脇の下や太ももの付け根などに当てたりして、体を冷やしましょう。
③飲める場合はスポーツドリンクなどで水分と塩分を補給します
※吐き気がある場合は、無理矢理飲ませず、すぐに病院へ連れて行き、点滴を受けることをおすすめします。
④ふくらはぎなど痙攣している特定の筋肉などがあればマッサージする。
3.比較的症状が軽い場合
・めまい、立ちくらみ
・こむら返り(ふくらはぎなど足の筋肉のけいれん)
・集中力の低下
・手足のしびれ
こんな時は無理せず、次の対応をとりましょう。
応急処置
①涼しい場所に移し、衣服を緩め、安静に寝かせます。
②体を冷やします。濡れタオルやアイスパックなどを脇の下や太ももの付け根などに当てたりして、体を冷やしましょう。
③スポーツドリンクなどで水分と塩分を補給します
④ふくらはぎなど、痙攣している特定の筋肉などがあればマッサージします。
熱中症を防ぐためには、適した熱中症対策飲料を、こまめにとることが大事です。そして、思いがけない重症化を防ぐためには、身近なひととお互いに声を掛け合い、変化に気づけるように見守ることもとても大切です。
涼をとり、水分をとり、無理をせず、無理をさせず、楽しい夏を過ごしましょう。